建設業許可を個人事業主が取る方法|申請の流れと必要書類を解説

- 建設業許可は個人事業主でも取得できる(建設業法は許可主体を法人に限定していない)。
- 500万円以上(建築一式は1,500万円以上等)の工事を請け負うなら許可が必要。
- 必要なのは「経営業務の管理責任者」「専任技術者」「財産的基礎」など、法人と基本的に同じ要件。
- 一般建設業の財産要件は自己資本500万円以上または同等の資金調達能力。
- 許可の有効期間は5年で、更新申請が必要。
建設業許可 個人事業主 やり方の結論

個人事業主が建設業許可を取るやり方は、「要件を満たす→書類を集める→都道府県の窓口に申請する」の3ステップです。
所要時間の目安をお伝えします。要件確認と書類集めで1〜2か月、申請後の審査でさらに1か月前後。トータルで2〜3か月は見ておくと安心です。これは私が相談を受けてきた個人事業主の方の、おおよその実感値です。
難易度は、正直なところ「書類集めが地味にしんどい」レベル。要件さえクリアしていれば、特別な資格や法人化は不要です。
前提として用意しておくものは、本人確認書類、過去の確定申告書の控え、技術者の資格証や実務経験を示す資料、そして500万円以上の残高証明(または納税証明)です。
手順をざっくり並べると、こうなります。
- 自分が「経営業務の管理責任者」と「専任技術者」の要件を満たすか確認する。
- 財産要件(自己資本500万円以上または同等の資金調達能力)を満たすか確認する。
- 欠格要件に該当しないか確認する。
- 必要書類を集める(確定申告書控え・資格証・残高証明など)。
- 申請先の都道府県の手引きで手数料と提出先を確認する。
- 窓口に申請書一式を提出し、審査を待つ。
この6ステップを一つずつ進めれば、「個人事業主のまま建設業許可を取得した」状態にたどり着けます。以下で根拠と中身を詰めていきます。
建設業許可とは?個人事業主にも必要な理由
建設業許可とは、軽微な建設工事を超える規模の工事を請け負うために必要な、建設業法上の許可です。

建設業法は、軽微な建設工事以外を請け負う場合に許可を求めています。そして、その許可の主体を法人に限定していません。だから個人事業主にも関係するのです。
私が現場で一番多く受ける誤解が、「個人だから関係ない」というもの。実際は逆で、元請から「許可を持っていないと次の工事は出せない」と言われて慌てて相談に来る一人親方が、毎年いらっしゃいます。
e-Govの建設業法でも、許可を要する工事の範囲が定められています。法人か個人かで線引きはされていません。
許可が必要となる工事の基準
「軽微な建設工事」以外を請け負うときに、建設業許可が必要になります。
その境目となる金額が、現場で一番よく聞かれるポイントです。表にまとめます。
| 工事の種類 | 許可が不要な範囲 |
|---|---|
| 建築一式工事 | 1件の請負代金が1,500万円未満、または延べ面積150㎡未満の木造住宅 |
| 上記以外の工事 | 1件の請負代金が500万円未満 |
つまり、建築一式以外なら500万円が大きな分かれ目です。500万円未満の工事しか受けないなら、許可は法律上は不要。
個人事業主でも許可取得は可能

個人事業主のまま建設業許可を取得することは、法律上はっきり可能です。
建設業法は許可の主体を法人に限っていません。一人親方でも、要件を満たせば堂々と許可業者になれます。
ここで、個人のまま取る場合のメリットとデメリットを正直に整理します。左右きれいに同数では並べません。実際の比重で書きます。
| 観点 | 内容 |
|---|---|
| メリット | 法人化のコスト・手間が不要。元請からの信用が上がり、500万円以上の工事を受けられる。 |
| メリット | 許可番号を名刺やHPに載せられ、新規の取引先開拓につながる。 |
| デメリット | 許可は個人に紐づくため、後で法人化すると原則として許可を取り直しになる。 |
| デメリット | 事業の承継(息子に継がせる等)の際、許可をそのまま引き継ぐ手続きに注意が必要。 |
私の率直な意見を言うと、「数年以内に法人化する予定がある人」には、個人での取得をあまり勧めません。せっかく取った許可を取り直す二度手間になりがちだからです。
逆に「当面は一人親方で続ける」「法人化の予定はない」という方なら、個人のまま取るのは合理的な選択です。
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建設業許可の準備と並行して、個人事業主が必ずぶつかるのが「確定申告」と「経理」です。申請には確定申告書の控えが要るので、ここは避けて通れません。

許可申請でつまずく原因の一つが、確定申告をきちんと出していないこと。私が見てきた中でも「申告書の控えが手元にない」「白色で売上の裏づけが弱い」というケースは少なくありません。だから経理まわりの基礎は、許可取得とセットで固めておくのが得策です。
| テーマ | 個人事業主にとっての意味 |
|---|---|
| 青色申告 | 最大65万円の控除など節税効果が大きい。許可申請の所得証明にも使える。 |
| 白色申告 | 記帳が比較的簡単。ただし青色ほどの控除はない。 |
| 確定申告の基礎 | 申告書の控えは建設業許可申請の必須資料になる。 |
| 各種控除 | 所得を正しく示すことが、財産要件や信用の裏づけにつながる。 |
青色申告1から簡単ガイド
青色申告は、複式簿記で記帳することで最大65万円の特別控除を受けられる、個人事業主向けの申告制度です。
建設業許可の申請では、過去の確定申告書の控えが事業実態を示す資料になります。青色できちんと申告していれば、所得や売上の裏づけが明確で、申請がスムーズです。
正直、記帳の手間は白色より増えます。ただ、節税効果と「申請時に信用される書類が残る」という二点で、私は一人親方には青色を勧めることが多いです。
白色申告1から簡単ガイド

白色申告は、簡易な記帳で済む申告方法で、青色のような特別控除はありません。
「開業したばかりで帳簿に慣れていない」という方が選びがちです。ただ、建設業許可の申請という観点では、白色だと所得の裏づけがやや弱く見えることがあります。
私の感覚では、許可取得を視野に入れているなら、早めに青色へ切り替えておく方が後で楽です。白色のままでも申告書の控えは申請に使えますが、控えそのものを保管していないと困ります。
はじめての確定申告 不安解消セミナー
はじめての確定申告でつまずきやすいのは、「何を経費にできるか」と「いつ何を提出するか」の2点です。
建設業の一人親方の場合、工具・車両・燃料・現場までの交通費など、経費の範囲が広い。逆に言えば、記帳を後回しにすると年明けに大混乱します。
私が相談者にいつも言うのは、「許可を取りたいなら、まず去年の申告書を引っ張り出してください」ということ。確定申告の習慣がついている人ほど、建設業許可の準備も速いです。
確定申告控除ハンドブック
確定申告の控除を正しく使うことは、節税だけでなく、建設業許可申請での「所得を正確に示す」ことにもつながります。

青色申告特別控除、基礎控除、社会保険料控除など、使える控除は所得を適正に整えてくれます。所得がきちんと記録されていれば、財産的基礎の説明や事業実態の証明もしやすい。
控除の細かい中身は申告のテーマなので深入りしませんが、「申告を整えること=許可申請を整えること」だと覚えておいてください。
個人事業主が建設業許可を取得するための法定要件

個人事業主が建設業許可を取得するには、国土交通省令で定める要件を満たす必要があり、その中身は法人と基本的に同じです。
具体的には、次の5つです。これが満たせるかどうかで、取得できるかがほぼ決まります。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 経営業務の管理責任者 | 建設業の経営経験を持つ人がいること。個人事業主本人が該当する場合が多い。 |
| 専任技術者 | 営業所ごとに、許可業種に対応する資格または実務経験を持つ技術者がいること。 |
| 財産的基礎 | 一般建設業では自己資本500万円以上、または同等以上の資金調達能力があること。 |
| 誠実性 | 請負契約に関して不正や不誠実な行為をするおそれがないこと。 |
| 欠格要件に該当しない | 破産後に復権していない、許可取消し後5年以内などに当たらないこと。 |
財産的基礎の500万円は、申請直前の残高証明書で示すのが一般的です。これは国土交通省の案内でも確認できます。
経営業務の管理責任者がいる
経営業務の管理責任者とは、建設業の経営に関する一定年数の経験を持つ人で、個人事業主では本人がこの立場を兼ねるケースが多いです。
一人親方が許可を取る場合、自分自身の建設業での経営経験を証明することになります。ここで効いてくるのが、先ほどの確定申告書の控えです。
私が実務で集める証明資料は、おおむねこのあたりです。
- 過去の確定申告書の控え(事業を継続してきた年数の裏づけ)。
- 工事の契約書や注文書、請求書など、建設業を営んでいた実績を示す資料。
- 本人の身分証明書、および登記されていないことの証明書。
つまずきやすいのが、「申告書の控えが何年分も必要なのに、手元にない」というパターン。うまくいかないときは、税務署で保有期間内の申告内容を確認する、あるいは取引先に契約書・請求書の控えをもらう、という回収から始めます。
ここまで揃えば、経営業務の管理責任者の要件は形になります。専任技術者の証明(資格証または実務経験)と財産要件の残高証明を加えれば、申請書類の土台は完成です。これで「個人事業主のまま建設業許可を申請する」準備が整います。
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