2026年6月19日|建設業許可について、制度の正確な解説と実務(費用・流れ・依頼先)を一次情報にあたって整理するメディア。
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建設業許可の取得方法を徹底解説|要件・費用・申請手順がわかる

梶原 誠 / 更新:2026-06-18
建設業許可の取得方法を徹底解説|要件・費用・申請手順がわかる
「建設業許可って、結局どうやって取るの?」――相談に来る方の多くが、最初にこの一言で止まります。私は行政書士事務所の補助者を経て、許可申請の実務に10年以上携わってきました。結論から言うと、取得方法は『5つの要件を満たして、決まった書類を揃え、申請先に出す』この3点に集約されます。

ただし、要件の確認や書類集めでつまずく人が本当に多い。経験年数が足りない、500万円が用意できない、そんな不安を抱えて来る方もいます。

この記事では、許可の基礎から申請手順、費用と期間、経験不足でも取れる例外、そして取得後の義務までを順番に解説します。読み終えたとき、自分が何から動けばいいかが見えるはずです。

所要時間の目安:知事許可なら申請準備で2〜4週間ほど、審査でさらに数週間。難易度は『書類さえ揃えば自分でも可能、ただし証明書集めが地味に大変』というのが正直な実感です。

建設業許可とは?取得が必要なケースと不要なケース

【建設業許可を取りたい!】許可取得の要件につき分かりやすく解説してみた【初心者向け】
【建設業許可を取りたい!】許可取得の要件につき分かりやすく解説してみた【初心者向け】

まず押さえたいのは、自分の事業に許可が必要なのかどうか。建設工事を請け負う営業をするには、原則として建設業許可が必要です。これは公共工事・民間工事を問いません。

ただし例外がある。軽微な建設工事だけを請け負う場合は、許可がいりません。ここの線引きを誤ると、無許可営業になってしまうので注意してください。

建設業許可がないとどうなる?

許可が必要な規模の工事を無許可で請け負えば、建設業法違反になります。罰則の対象です。さらに、元請から下請に入る際に「許可業者であること」を条件にされるケースが現場では珍しくありません。

私が相談を受けた中にも、「取引先から許可番号の提示を求められて、急いで申請したい」という駆け込みが何件もありました。信用に直結する部分なんです。

許可が不要な軽微な建設工事の基準

国土交通省は、軽微な建設工事のみを請け負う場合は許可が不要としています。逆に言えば、その範囲を超える工事を請け負うなら許可が要る、ということです。

自分の請ける工事が軽微に当たるかどうかは、対象となる自治体の公式案内で必ず確認してください。判断を間違えると後で痛い目を見ます。

大臣許可と知事許可・29業種の区分

許可は、国土交通大臣許可と都道府県知事許可に分かれます。違いはシンプルで、営業所がどこにあるかです。

大臣許可と知事許可の区分
出典:国土交通省 建設業の許可について
区分営業所の所在申請先
大臣許可複数の都道府県に営業所がある地方整備局など
知事許可1つの都道府県内のみに営業所がある都道府県庁など

勘違いされがちですが、知事許可でも工事自体は他県でできます。あくまで「営業所がどこにあるか」で区分が決まる点を押さえておいてください。

一般建設業許可と特定建設業許可の違いと使い分け

許可にはもう一つ、一般と特定という区分があります。ざっくり言えば、元請として下請に大きな金額を出すかどうかで変わります。

多くの中小事業者は、まず一般建設業許可で十分です。私が相談を受けるケースでも、最初から特定が必要な方は少数派でした。下請に出す規模が大きくなってきた段階で特定を検討する、という流れが現実的だと考えています。

建設業許可を取得するための5つの要件

ここが申請の心臓部です。国土交通省の制度説明では、経営業務の管理責任者の配置、専任技術者の配置、欠格要件に該当しないことなどが要件として求められています。

建設業許可を取得するための5つの要件

実務でつまずくのは、たいてい最初の2つ。人の要件です。順に見ていきましょう。

経営業務の管理責任者(常勤役員等+補佐者)の要件

建設業の経営経験がある人を、常勤の役員などとして置く必要があります。従来は5年以上の経営経験が基本でした。

近年は、常勤役員等を補佐する者を配置する体制でも認められる仕組みが整えられています。一人で全要件を満たせなくても、チームで満たす道がある、と理解しておくと選択肢が広がります。

営業所ごとの専任技術者の資格・実務経験早見表

各営業所に、専任技術者を常勤で置く必要があります。資格を持っているか、一定の実務経験があるかのどちらかです。

専任技術者になるための主なルート
具体的な対象資格・年数は業種ごとに異なるため、対象自治体の手引きで要確認
ルート内容注意点
資格業種に対応する国家資格などを持つ業種ごとに対象資格が決まっている
実務経験原則10年以上の実務経験学歴により短縮できる場合がある
指定学科+実務指定学科卒業+一定年数の実務卒業証明などの書類が必要

業種ごとに対象資格が細かく決まっています。早見表を作りたい気持ちはわかりますが、ここは必ず申請先の手引きと照合してください。「持っている資格が対象外だった」という差し戻しを、私は何度も見てきました。

財産的基礎または金銭的信用(500万円の壁)

いわゆる「500万円ない」問題です。一般建設業の場合、500万円以上の財産的基礎または金銭的信用が必要になります。

ここで諦める方が多いのですが、預金残高証明や融資可能証明で示せるケースもあります。決算上の自己資本だけで判断されるわけではない、という点は知っておいて損はありません。

誠実性と欠格要件・社会保険の加入義務

請負契約で不正や不誠実な行為をするおそれが明らかな者は、誠実性の要件を満たしません。また、欠格要件に該当しないことも必須です。

見落としがちなのが社会保険。2020年の改正で、適切な社会保険への加入が許可の要件として明確化されました。未加入のまま申請して足止めされる事例があるので、先に整えておいてください。

【手順】建設業許可の申請から取得までの流れ

ここからは実務です。申請の流れは、一般に申請先の確認 → 区分確認 → 必要書類の準備 → 手数料納付の順で案内されています。1ステップずつ、確認の目安とともに進めます。

【手順】建設業許可の申請から取得までの流れ

手順1 申請先と許可申請区分を確認する

まず、自分が大臣許可か知事許可かを確定します。知事許可なら都道府県庁など、大臣許可なら地方整備局などが申請先です。

ここまでできていれば正しい:「申請先の窓口名」と「自分の許可区分(一般/特定)」を紙に書き出せている状態です。

手順2 必要書類を集める(登記事項証明書・納税証明書など)

申請では、許可申請書に加えて添付書類が必要です。誓約書、経営業務の管理責任者の証明書、専任技術者の資格証明書、登記事項証明書、財務諸表、工事経歴書などが案内されています。

主な必要書類と取得先の目安
自治体により様式・追加書類が異なるため対象自治体の手引きで要確認
書類主な取得先つまずきやすい点
登記事項証明書法務局発行から期限が設定されることがある
納税証明書税務署・都道府県税事務所税目の指定を間違えやすい
登記されていないことの証明書法務局役員全員分が必要になる場合がある
技術者の資格証明書各資格の発行元合格証ではなく証明書が要る場合がある

ここまでできていれば正しい:手引きのチェックリストの項目が、手元の書類で全部埋まっている状態です。証明書は有効期限があるものが多いので、集める順番にも気を配ってください。

うまくいかないときは:何の書類が要るか分からなくなったら、対象自治体の「建設業許可の手びき」に必ず戻ってください。静岡県は、申請書作成前に手引きを必ずよく読むよう明記しています。

手順3 申請書を作成して窓口または電子申請(JCIP)で提出する

書類が揃ったら申請書を作成し、提出します。提出方法は自治体によって書面と電子の両方が案内されています。秋田県では電子申請が令和5年1月10日から始まっています。

ここまでできていれば正しい:手数料を納付し、受付印または受付完了通知を受け取った状態です。電子申請を使うかどうかは、自治体の対応状況を先に確認してから決めてください。

手順4 審査・標準処理期間を経て許可通知書を受領する

提出後は審査に入ります。審査期間は自治体・区分によって異なるため、対象自治体の案内で確認してください。

完了状態:許可通知書が手元に届けば、この手順で建設業許可の取得が完了です。通知書は再発行が難しいものなので、必ず大切に保管してください。

建設業許可の取得にかかる費用と期間の目安

建設業許可、すぐに取得したい?驚きの裏技とよくある失敗を防ぐポイント!
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「結局いくらかかるの?」これも最頻出の質問です。新規取得の費用は、知事許可で9万円、大臣許可で15万円と案内されています。

法定費用・証明書取得費・行政書士報酬の内訳

費用は大きく3つに分かれます。法定費用、証明書の取得費、そして行政書士に頼む場合の報酬です。

建設業許可取得にかかる費用の内訳
法定費用の出典:複数の実務解説で一致。証明書取得費・報酬は事案により変動
項目内容金額の目安
法定費用(知事許可・新規)申請手数料9万円
法定費用(大臣許可・新規)登録免許税15万円
証明書取得費登記事項証明書・納税証明書など書類点数により変動
行政書士報酬依頼する場合のみ依頼先により変動

この法定費用の呼び方は、申請区分で変わります。手数料と案内されたり、登録免許税と案内されたりするんです。同じお金なので混乱しないでください。

自分で申請する場合と行政書士に依頼する場合の比較

行政書士に依頼せず、自分で申請することも可能です。これは複数の実務解説でも一致しています。

自分で申請 vs 行政書士に依頼
観点自分で申請行政書士に依頼
費用法定費用+証明書取得費のみ上記+報酬がかかる
手間書類集め・作成を自分で行う代行してもらえる
向いている人時間が取れ要件が明確な人要件が複雑・時間がない人

私の立場を正直に言うと、要件がシンプルで時間が取れるなら自分で申請して十分です。一方、経営経験や実務経験の証明が複雑な案件は、最初から専門家に相談したほうが結果的に早い。差し戻しで何往復もするより安く済むこともあります。

経験年数が足りなくても許可は取れる?例外と短縮の条件

「経営5年、実務10年なんて無理」と諦めかけている方へ。例外と短縮の道はあります。ただし条件付きです。

経験年数が足りなくても許可は取れる?例外と短縮の条件

経営経験5年未満でも認められるケース

前述のとおり、常勤役員等を補佐する者を置く体制であれば、一人の経営経験だけに頼らず要件を満たせる場合があります。会社全体の体制で証明する考え方です。

ここは要件の解釈が細かいので、自己判断せず、対象自治体の手引きや窓口で確認することを強くすすめます。

実務経験を学歴で短縮する方法

専任技術者の実務経験は、原則10年。ただし指定学科を卒業していれば、必要年数が短縮される場合があります。

この場合、卒業証明書など学歴を示す書類が必要になります。「資格はないけど学校で学んだ」という人は、ここを確認する価値があります。

個人事業主でも許可は取れるか

結論、個人事業主でも建設業許可は取れます。法人化が必須ではありません。

実際、私が対応してきた中にも個人事業主のまま許可を取得した方が多くいます。要件さえ満たせば、事業形態は問われません。

【独自】よくある不許可・差し戻しの失敗事例と対策

ここは他の記事にあまり書かれていない、現場の話です。要件を満たしているつもりでも差し戻される。その大半は、書類の細部でつまずいています。

【独自】よくある不許可・差し戻しの失敗事例と対策

証明書類の不備でつまずく典型例

私が実際に見てきた差し戻しで多いのは、次のパターンです。証明書の有効期限切れ。役員全員分が揃っていない欠格要件の証明。資格証明書ではなく合格証を出してしまうミス。

特に「登記されていないことの証明書」は、役員全員分が必要なのに代表者だけで出してしまう例が後を絶ちません。一人でも漏れると受理されません。

うまくいかないときのチェックポイントと相談先

差し戻されたら、まず手引きのチェックリストに戻る。これが鉄則です。様式が古い、添付漏れ、社会保険未加入。この3つを真っ先に疑ってください。

自力で解決できないと感じたら、無理に粘らず窓口に相談を。事前相談に応じてくれる自治体も多く、私の経験上、出す前の相談がいちばん事故を減らします。

許可取得後にやるべき義務と更新手続き

【建設業許可】申請に必要な書類と集め方につき簡単解説!
【建設業許可】申請に必要な書類と集め方につき簡単解説!

許可は取って終わりではありません。むしろここからが本番です。義務を怠ると、せっかくの許可が危うくなります。

標識の掲示・契約書面への許可番号記載

許可業者には、営業所や工事現場に標識を掲示する義務があります。いわゆる建設業の許可票です。

あわせて、契約書面に許可番号を記載するのが実務の基本です。取引先からも確認されるので、通知書が届いたらすぐ番号を控えておきましょう。

決算変更届と5年ごとの更新

見落としが一番怖いのが、決算変更届です。毎年、事業年度終了後に提出する必要があります。許可は5年ごとの更新です。

正直に言うと、この決算変更届を忘れていて、更新時に何年分もまとめて慌てて出す事業者を何人も見てきました。毎年の習慣にしてしまうのが一番です。

営業所追加・許可換え新規などの変更届

営業所を他県に増やすと、知事許可から大臣許可への許可換え新規が必要になる場合があります。役員や専任技術者が変わったときも変更届が要ります。

事業が動くたびに届出が発生する、と覚えておくと漏れが減ります。

無許可営業・虚偽申請のリスクと罰則

無許可で許可が必要な工事を請け負う、申請で虚偽の内容を記載する。どちらも建設業法違反で罰則の対象です。

虚偽申請は、発覚すれば許可の取消しにもつながりかねません。経験年数や常勤性を「盛る」のは、絶対にやめてください。長い目で見れば必ず損をします。

建設業許可を取るメリットとよくある質問

最後に、許可を取ると何が変わるか。そして、よく一緒に聞かれる質問にまとめて答えます。

建設業許可を取るメリットとよくある質問

公共工事入札・経審・信用力・融資への影響

許可があると、公共工事の入札参加への道が開けます。経営事項審査(経審)を受ける前提として、許可は不可欠です。

加えて、取引先や金融機関への信用力が上がります。私の実感では、許可番号を提示できるかどうかで、元請からの見られ方がはっきり変わります。

建設業許可 取得方法に関するFAQ

よくある質問

建設業許可の取得方法とは?
経営業務の管理責任者や専任技術者の配置など5つの要件を満たし、許可申請書と添付書類を揃えて、知事許可なら都道府県庁など、大臣許可なら地方整備局などに提出します。審査を経て許可通知書を受領すれば取得完了です。
建設業許可の取得方法にかかる費用は?
新規取得の法定費用は、知事許可で9万円、大臣許可で15万円と案内されています。これに登記事項証明書や納税証明書などの取得費がかかります。行政書士に依頼する場合は別途報酬が必要です。
建設業許可の取得方法の始め方は?
まず自分が大臣許可か知事許可か、一般か特定かを確認します。次に対象自治体の『建設業許可の手びき』を読み、必要書類を集めるところから始めてください。要件の確認を最初に済ませるのが近道です。

まずは対象自治体の手引きをダウンロードして、5つの要件を満たせるか一つずつチェックしてみてください。そこで詰まった項目こそ、あなたの申請のカギです。迷ったら一人で抱えず、窓口や専門家への事前相談を。それが遠回りに見えて、いちばんの近道だと私は考えています。

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梶原 誠

元・行政書士事務所勤務(建設業許可申請サポート担当) ・ 中小建設業者向け許認可手続きの相談対応経験多数
建設業許可申請サポート歴10年以上

行政書士事務所での補助者経験を経て、建設業許可申請の実務に10年以上携わってきた。申請者目線で「実際にどう動けばいいか」を軸に情報をまとめることを心がけている。

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