2026年6月18日|建設業許可について、制度の正確な解説と実務(費用・流れ・依頼先)を一次情報にあたって整理するメディア。
ホーム › 建設会社とは?選び方・年収・主要企業一覧まで徹底解説

建設会社とは?選び方・年収・主要企業一覧まで徹底解説

梶原 誠 / 更新:2026-06-18
建設会社とは?選び方・年収・主要企業一覧まで徹底解説
「うちの工事、どの建設会社に頼めばいいのか分からない」「建設業界で働きたいけど年収や将来性が不安」。そんな迷いに、まず結論から答えます。

依頼するなら、建設業許可と実績、施工事例を必ず確認する。働くなら、職種ごとの仕事内容と必要な資格を押さえる。この2点が、失敗しないための軸です。

私は行政書士事務所で建設業許可申請の補助に入って以来、10年以上この業界の手続きに関わってきました。申請者や施主から実際に受けた相談をもとに、建設会社の選び方から年収、主要企業、業界の今後までまとめます。

建設会社とは?基礎知識と業界の全体像

【警告】公共工事が安すぎます|建設会社が利益を残せない理由
【警告】公共工事が安すぎます|建設会社が利益を残せない理由

まず土台から。建設会社とひとくくりにしても、家を建てる会社と橋を造る会社では別世界です。

規模感の話をしておくと、建設業許可を持つ業者は令和6年度末で約48万業者。ピークだった平成11年度末から約20%減っています。許可業者だけでこの数なので、この業界の裾野は広い。

建設会社の定義と役割

建設会社とは、建物や道路、橋、設備などの工事を請け負って完成させる会社のことです。設計図をもとに、人と資材と重機を動かして現場をかたちにする。それが基本的な役割です。

工事の規模が大きいほど、発注者から直接受注する「元請け」と、その下で部分工事を担う「下請け(協力会社)」に分かれます。この縦の構造は後で詳しく触れます。

建設業界の主な職種と仕事内容

現場作業員だけが建設会社の仕事ではありません。むしろ会社を回しているのは事務系・技術系の多様な職種です。

建設業界の主な職種と仕事内容
職種主な仕事内容
施工管理工程・品質・安全・原価を管理し、現場全体をまとめる
設計建物や構造物の図面を作成する
積算工事に必要な費用を算出し見積りを作る
現場作業(職人)とび・大工・鉄筋・電気など実際の施工を担う
営業発注者から工事を受注する

なかでも施工管理は現場の司令塔です。求人でも引きが強く、資格を持つと待遇が変わります。

ゼネコン・サブコン・ハウスメーカーなど業態の違い

ここを混同したまま会社を探すと、見当違いの相談先にたどり着きます。ざっくり整理しておきます。

建設会社の主な業態の違い
業態役割代表的な企業の例
ゼネコン(総合建設業)ビルや土木の大規模工事を元請けで取りまとめる清水建設・大成建設・鹿島建設・大林組・竹中工務店
サブコン(専門工事業)電気・空調・配管など専門分野を担当関電工・きんでん・きんでん系の設備工事会社
ハウスメーカー戸建て住宅を規格化して設計・施工する一条工務店・ミサワホーム・住友林業系
プラント・土木化学プラントやインフラを手がける日揮ホールディングス・千代田化工建設・五洋建設

家を建てたいならハウスメーカーや地域の工務店。大型のビルや公共工事ならゼネコン。目的で行き先が変わる、というのが正直なところです。

建設会社の選び方と比較の基準

選び方で一番大事なのは、雰囲気や営業トークではありません。許可・実績・資格という客観的な事実です。

建設会社の選び方と比較の基準

私が許可申請の現場で見てきた限り、トラブルになる依頼の多くは「許可の有無すら確認していなかった」ケースです。ここは手を抜けません。

実績・施工事例で見極める

まず自分が頼みたい工事と同じ種類の事例があるかを見ます。住宅なら住宅、店舗なら店舗。畑違いの実績はあてになりません。

施工事例の写真だけでなく、規模・予算帯・引き渡し時期まで具体的に答えられる会社は信頼できます。逆に「だいたい何でもやれます」としか言わない会社は、私は警戒します。

建設業許可と保有資格を確認する

500万円以上(建築一式は1500万円以上)の工事を請け負うには、建設業許可が必須です。許可業種は29種類に分かれていて、頼む工事に合った業種の許可があるかを確認します。

許可番号は各都道府県や国土交通省のサイトで実際に検索できます。名刺やチラシに書かれた番号が本物か、ここで裏が取れる。私が相談者に必ず勧める一手です。

あわせて、施工管理技士や建築士など有資格者が社内にいるかも確認したい。資格者がいない会社は、技術力の裏づけが弱い場合があります。

中小・地域密着型の建設会社という選択肢

大手だけが正解ではありません。中小企業庁によれば、2021年6月時点で中小企業・小規模事業者は336万者あり、建設会社の多くもここに含まれます。

地域密着の会社は小回りが利き、引き渡し後の対応も近い。一方で得意分野が偏ることがあるので、実績の確認はより念入りに。私は地元の小規模リフォームなら、むしろ地域の会社を勧めることが多いです。

施主・発注者向け|依頼の流れと費用の考え方

工事を頼むのが初めてだと、何から始めればいいか分からないものです。流れを先に知っておくと、見積りの読み方も変わります。

施主・発注者向け|依頼の流れと費用の考え方

そして費用。ここで知っておきたいのが、令和6年施行の改正建設業法で「著しく低い労務費等による見積りや見積り依頼」が禁止されたことです。安すぎる見積りは、制度上も問題になり得る。

相談から契約・引き渡しまでの流れ

おおまかには、相談・要望整理から始まり、現地調査、見積り、契約、着工、施工、検査、引き渡しと進みます。

工事依頼の基本的な流れ
段階主な内容
相談・要望整理予算や希望を伝える
現地調査・見積り現場を見て費用を算出
契約工事内容・金額・工期を書面で確認
着工・施工工事スタート
検査・引き渡し仕上がりを確認して完了

契約は必ず書面で。口約束は後で必ずもめます。

建設会社に依頼する費用の目安と内訳

正直に言うと、工事費用は工事の種類・規模・地域でまったく違うため、一律の相場をここで断定するのは誠実ではありません。創作した相場を書くより、内訳の見方を押さえるほうが役に立ちます。

見積りは「材料費」「労務費(人件費)」「経費」に分かれます。前述の改正建設業法では、適正な労務費の基準を著しく下回る契約締結を禁止する仕組みが示されました。労務費が極端に削られた見積りは、要注意のサインです。

依頼前に確認したい注意点

複数社から相見積りを取ること。1社だけだと、その金額が高いのか安いのか判断できません。

そして、極端に安い見積りに飛びつかないこと。違反した業者には指導・監督、発注者側にも勧告・公表といった措置が制度上ありえます。安さの裏に無理がないか、内訳で確かめてください。

主要な建設会社の一覧と売上高ランキング

虫歯建設株式会社 / おかあさんといっしょ (Coverd byうたスタ) 【楽しく歯磨き習慣!】
虫歯建設株式会社 / おかあさんといっしょ (Coverd byうたスタ) 【楽しく歯磨き習慣!】

有名な会社の名前と立ち位置を把握しておくと、業界の地図が頭に入ります。ここでは代表的な企業を業態別に並べます。

なお業界全体の規模感として、国土交通省の令和3年 建設業活動実態調査では国内売上高総額が15兆282億円(前年比10.6%減)でした。これは調査対象企業の集計値で、業界全体の総額とは別物である点に注意してください。

大手ゼネコン・準大手の代表企業

大手ゼネコン・準大手の代表企業
企業名分野
清水建設株式会社総合建設(建築・土木)
大成建設株式会社総合建設(建築・土木)
鹿島建設株式会社総合建設(建築・土木)
株式会社大林組総合建設(建築・土木)
株式会社竹中工務店建築中心の総合建設
戸田建設株式会社総合建設
東急建設株式会社総合建設
高松建設株式会社建築
株式会社フジタ建築

ハウスメーカー・設備・土木の主要企業

ハウスメーカー・設備・土木などの主要企業
企業名主な分野
株式会社一条工務店住宅(ハウスメーカー)
ミサワホーム株式会社住宅(ハウスメーカー)
住友林業ホームテック株式会社住宅リフォーム
株式会社関電工電気設備
株式会社きんでん電気設備
日本コムシス株式会社通信・電気設備
株式会社ミライト・ワン通信・設備
五洋建設株式会社海洋土木
日揮ホールディングス株式会社プラント
千代田化工建設株式会社プラント
日本工営株式会社建設コンサルタント
パシフィックコンサルタンツ株式会社建設コンサルタント

このほか、内装の乃村工藝社、人材分野のオープンアップコンストラクションやワールドコーポレーション、リース系の大和リースなど、建設に関わる会社は業態が多彩です。

売上高など経営指標で比較する視点

ランキングを見るときは、単年の売上だけで判断しないこと。受注の安定性や、住宅か土木かプラントかという事業構成も見たほうがいい。

気になる数字があります。帝国データバンクによると、2024年の建設業倒産は1,890件で過去10年で最多でした。大手の名前が並ぶ一方、業界全体では厳しい局面にある。この両面を見ておきたい。

建設会社で働く|年収・待遇と転職・就職のポイント

建設業で働くか迷っている人へ。まず人手が足りていません。就業者は令和6年平均で477万人、ピークの平成9年から約30%減っています。働き手としての需要は強い、というのが実情です。

建設会社で働く|年収・待遇と転職・就職のポイント

職種別の年収・給与と待遇の傾向

年収を一律の数値で断定するのは、職種・地域・資格の有無で差が大きすぎて誠実ではありません。確実な統計値が手元にないので、ここでは傾向だけ正直に書きます。

傾向として、有資格の施工管理は無資格の現場作業より待遇が上がりやすい。資格手当がつく会社も多く、資格の有無が給与に直結します。

転職・就職を成功させるコツ

人手不足を背景に未経験歓迎の求人は増えています。ただ「誰でも採る」会社が良い会社とは限らない。

私が見るポイントは、許可業種・施工管理技士など有資格者の在籍状況・離職率です。求人票だけでなく、許可情報を自分で検索して裏を取る。応募前のひと手間が、入社後の後悔を減らします。

建築士・施工管理技士など資格取得の方法

建設業で評価される代表的な国家資格を整理します。

建設業界の主な国家資格
資格主な分野概要
一級・二級建築士設計建物の設計・工事監理を行う
施工管理技士(建築・土木・電気など)施工管理現場の工程・品質・安全を管理
技術士技術全般高度な専門技術を扱う

施工管理技士は実務経験が受験要件になるものが多い。働きながら経験を積み、受験する流れが現実的です。資格を取れば、許可要件である専任技術者にもなりやすくなります。

建設業界の今後|市場規模・将来性と課題

将来性が気になる人は多いはず。結論を言えば、需要は底堅いが、供給側(働き手と会社)の課題が大きい。これが正直な現状です。

建設業界の今後|市場規模・将来性と課題

市場規模と将来性の見通し

前述の令和3年 建設業活動実態調査では、調査対象の常時従業者数は17万9,559人(前年比1.4%増)。一方で海外契約金額は1兆5,993億円(前年比36.2%減)と落ち込みました。

国内のインフラ更新や再開発は続くため、仕事自体がなくなる業界ではありません。ただし企業ごとの体力差は今後さらに開くと私は見ています。

人手不足・高齢化・2024年問題

課題はここに集約されます。就業者の年齢構成は55歳以上が36.7%、29歳以下は11.7%。高齢化と若手不足が同時進行しています。

さらに令和6年4月から、建設業にも罰則付きの時間外労働の上限規制が適用されました。いわゆる2024年問題です。働き方は改善方向ですが、限られた人数で工期を守る難しさも増しています。

帝国データバンクの調査では、2024年の建設業倒産のうち人手不足倒産が99件、物価高倒産が250件(13.2%)。人とコストの両面が経営を圧迫している実態がうかがえます。

DX・ICT施工など技術トレンド

人が足りないぶん、技術で補う動きが進んでいます。ドローン測量、3次元データを使ったICT施工、現場の遠隔管理など。

省人化は、人手不足の業界にとって生き残りの条件になりつつあります。技術投資ができる会社かどうかも、これからは選ぶ目安になります。

女性・未経験者の活躍と下請け構造のリアル

【暴露】建設業法が変わっても指値はなくなりません|安く請ける会社が得をする現実
【暴露】建設業法が変わっても指値はなくなりません|安く請ける会社が得をする現実

最後に、現場のリアルを2つ。働きやすさと、業界特有の縦構造です。きれいごとだけでは語れない部分も含めて書きます。

女性や未経験者の働きやすさ

人手不足を背景に、女性や未経験者の採用は広がっています。設計や施工管理、事務など、体力に依存しない職種から入る道もあります。

2024年問題による労働時間の上限規制は、休日や残業の環境改善につながる面があります。ただし会社差が大きいのも事実。働きやすさは、制度より個々の会社の取り組みで決まると私は感じています。

元請けと協力会社(下請け)の関係性

建設業は、元請けが工事を取りまとめ、専門工事を下請け(協力会社)に出す重層構造です。一次下請け、二次下請けと連なることもあります。

この構造のなかで起きがちなのが、下請けへの過度な値下げ要求。だからこそ改正建設業法で、中央建設業審議会が適正な労務費の基準を作り、それを著しく下回る見積り・契約締結を禁止する仕組みが示されました。下請け側の保護が制度として強化されている、という流れです。

建設会社に関するよくある質問(FAQ)

よくある質問

建設会社とは何ですか?
建物・道路・橋・設備などの工事を請け負って完成させる会社です。大規模工事をまとめるゼネコン、電気や空調など専門分野を担うサブコン、戸建て住宅を手がけるハウスメーカーなど、業態はさまざまです。500万円以上の工事を請け負うには建設業許可が必要になります。
建設会社の費用はどれくらい?
工事の種類・規模・地域で大きく変わるため、一律の相場は示せません。見積りは材料費・労務費・経費に分かれます。令和6年施行の改正建設業法では著しく低い労務費による見積りが禁止されており、極端に安い見積りはかえって注意が必要です。相見積りで内訳を比べてください。
建設会社の始め方は?
会社設立に加え、500万円以上(建築一式は1500万円以上)の工事を請け負うなら建設業許可の取得が必要です。許可には専任技術者や経営業務の管理責任者などの要件があります。29業種のうち自社の工事に合った業種を選んで申請します。要件確認は早めに行うのが現実的です。

頼む側も働く側も、最初の一歩は同じです。気になる会社の許可情報を自分で検索して、事実から確かめる。そこから始めてください。

建設会社に関するよくある質問(FAQ)
この記事について質問できますAIが記事をもとに答えます
こんにちは。この記事について、下の候補から選ぶか、自由に質問できます。

梶原 誠

元・行政書士事務所勤務(建設業許可申請サポート担当) ・ 中小建設業者向け許認可手続きの相談対応経験多数
建設業許可申請サポート歴10年以上

行政書士事務所での補助者経験を経て、建設業許可申請の実務に10年以上携わってきた。申請者目線で「実際にどう動けばいいか」を軸に情報をまとめることを心がけている。

メルマガ登録

梶原 誠
梶原 誠
行政書士事務所での補助者経験を経て、建設業許可申請の実務に10年以上携わってきた。申請者目線で「実際にどう動けばいいか」を軸に情報をまとめることを心がけている。

記事には書ききれない現場のリアルや最新の動きを、わたしから直接メルマガでお届けします。よかったら登録してください。

登録は無料・いつでも解除できます。